秘密の小部屋
駅にまつわる、あれこれ (1/2)
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「Station」発売直前に出版された「かつくら」のインタビュー記事を書きだしました。
また、「闇にあかく点るのは、鬼の灯か君の瞳。」の発売時に、アニメイトの予約特典とされたペーパーもアップしてます。
原寸でこちら。
インタビューに興味のある方は、下にお進みください。
ギイにとっての幸せな時間
『タクミくんシリーズ』〔以下、『タクミくん』〕の最終巻を書くことが決まったときのお気持ちは?
ごとう 『春風』(=『そして春風にささやいて』)を書き始めたときからラストシーンは決まっていたんです。最初の謎が最後に解決する、という形を取りたくて……。最初の謎というのは、「二人がどこで出会ったのか」ということで、『station』というタイトルも同人誌時代に発表していました。昔馴染みの読者さんの中には、タイトルを見てラストだとピンと来たようで、メールをくださった方もいました。ですから、気持ちとしては、「いよいよラストなんだな」というのと、「今までに張っておいた伏線をどうしよう」と(笑)。
そんなに前から最終回が決まっていたのですか?
ごとう 形だけは決まっていましたね。それを、歴代の担当さんたちから「とにかく長く続けてください」といっていただくたびに後ろにずらしていった、という感じなんです。本当は二年生の一年間で終わるつもりだったので、予定通りにいけば三年生に上がる前に『station』が来るはずでした。でも、そもそもその場面を書く気があったのかというと、別にそうでもなくて……イメージとして頭にあっただけなんです。自分の中では文庫の一冊目で終わってたので。
そのお話は、以前取材させていただいたときにも伺いましたが……一巻で終わりなんて、早いですよね?
ごとう 自分自身で書きたいと思ったのは、『春風』に収録されている三作(「そして 春風にささやいて」「若きギイくんへの悩み」「JunePrid」)だけでした。自分に自信が なくて、トラウマを抱えている主人公が自分の足で立てるようになるまで、というのを書きたかった。『JunePride』で託生くんが自立したので、「ヨシ!」と(笑)。
キャラクターを作るときに、ザックリとではありますが、その人の一生が決まるんです。本当にザックリとなんですけど。託生とギイの一生も、なんとなくイメージがあって、それを考えるとギイがあまりにも気の毒だったんですよね。なので、すべての良い要素……みんなが憧れるような設定を入れてあげようと思ったんです。お金持ちで、頭が良くて、美形で、と。でもそうするとやりすぎというか、ちょっとへンなキャラクターになってしまったので、弱点として「音痴」ということにしました。託生が音楽が得意だったので、バランスが取れていいかなというのもあって。スーパー御曹司と平凡な子、という二人なんですけど、それでも一生を考えると、私の中ではギイはかわいそうなの。それで編集部のほうから「続けてください」というお話をいただいたときに、高校二年生の一年間が一番幸せそうだったので、その時代を描くことにしたんです。
高校二年生の幸せは「ギイにとって」ということだったんですか?!
ごとう そうなんです。小説家というのは夢を売るお仕事じゃないですか。特にBLは読者の方に夢を提供できなければ失格というか。でも自分はそんなに夢見がちじゃなくて。だから、「そんなに都合よく行かないでしょ」という思いが頭をよぎってしまうんです。それを担当さんと話をする中で「いやいや、ちょっと待って」といわれて軌道修正しながら書いていきました。三年生バージョンになってからは特に、「受験勉強しなよ」「恋愛してる場合じゃないでしょ」と思ってしまって(笑)。歴代の担当さんから「いいえ先生、恋ですよ」といわれ続けていましたね。
高校時代の三年間って、自分のやりたいことに向かって突っ走れる、本当に貴重な時間だと思うんです。中学時代はまだ子どもで目標が定まっていなかったり、社会性も身についていなかったりするけど、高校生になると精神的には大人に近くなっていますよね。でも社会的な責任は負わなくていい。そんな時代、ここしかないんですよ。好きなことに没頭していくうちに、自分の才能とも向き合うことになるだろうし、限界とも戦うことになるだろうけど、ごはんの支度とか家族の世話とか、そういう雑音なしに自分のことだけを考えていられる。そんな貴重な時間に恋愛なんかしてる場合じゃないだろっ、という考え方がベースにあるんですよねぇ。このジャンルに入ったからには「まあ夢は大事よね」と考えるように努力しましたが(笑)。でも自分のもとの感覚と、最初からなんとなく決まっている彼らの人生とを考えると、一番夢があるのが高校二年生で、引き伸ばすにしても限界を感じて……。
では、もしこのまま続きを書いていったとしたら、ギイはどんどん可哀想なことになってしまうんですか?
ごとう 初期設定だとそうなりますね。ささすがに、書くとしたら担当さんから変えたほうがいいといわれるでしょうけど。彼らと年齢がそう変わない頃にこの話を考えているから、「若い頃は突き抜けていていいね」と思います。今だったらこんな設定は考えられないから(笑)。
どうも私は日常からあまり離れられないようで、話を盛るとしても一段とか二段とか、それくらい(笑)。でもBLは基本、ファンタジーだと思うし、読者さんも夢を求めていると思うので、自分にはハードルの高いジャンルでしたね。最初に投げた球……『春風』は、私が書きたいと思った、私の個人的な事情の球で、自分の中では「書ききった!」という満足感のある一球なので、どう受け止めてもらって、どう跳ね返ってきてもかまわないんです。でも最初に書き切ったから、そこから先は難しかった。ですから『Station』も決まってはいるけど、別に書かなくてもいいや、という感じだったんです。
『タクミくん』の執筆は大変だった?
ごとう 書くのがイヤだと思ったことは一度もありませんでした。いろいろ書きたいジャンルがある中で、最初におもしろいという反応をいただいて、認めてもらえたのが『タクミくん』だったから、これについては責任を取る、という決意がありました。ただ他のお話を書く時間が物理的に取れず、これだけになってしまうのは切ないな、という気持ちはあって、でも仕事だから最善を尽くしたいし、制約がある中で自分が一番悔いがない方法で……と、進んできましたね。いろいろな感情が折り重なっている中でも、「どうせ書くなら楽しく!」という気持ちは常にあったので、大変だけど楽しかったです。ラストが決まっていたので、「最終的にはそこに向かっている」という目標も見えていて、そういう意味では気はラクでしたが……言葉で表すと「大変だけど楽しかった」としかいいようがないですねえ。幸いにしてたくさんの人が読んでくださって、それはたくさんの人が共感してくれたということだと思うし、望んでそうなれるわけではないと思うので、総じてラッキーでした。
他のジャンルの作品がなかなか書けなかった分、この年齢になって「書きたかったけど書けなかったもの」がいっぱいあり、これから挑戦していけるという状況にあるのも、見方を変えればラッキーですよね。
大変だけど楽しくて、ラッキーだった、と。
ごとう そうですね(笑)。『タクミくん』はなんというか……縁起が良いんですよ。ドラマCDを出してもなんとなく上手くいくとか、映画をやってもなんとなく成功するとか。携わった方になんらかのメリットが生まれる、強運を持ってる気がします。
それはごとう先生ご自身が強運なのでは?
ごとう そうでもないです。『タクミくん』以外は特別なにもないので(笑)。メディアミックスの中には、儲かりそう、というところからスタートする場合もあって、映画化のとき、最初は正直、そんな空気を感じました。でも注目度が高かった分、ファンの方々からは辛辣な評価も多くて……。問題はその後ですよね。二作目以降は、製作に携わる方々が批判的な意見にも耳を傾けてくださったんですよ。原作のファンがなにを大切に思っているか、ちゃんと対応してくれて、いい方向に仕切り直せたと思います。そういう経緯も含めて、なんだか縁起のいい作品だな、と思いましたね。
長続きの秘訣は作品との距離
『小説June』から数えるとかなりの長期シリーズになりますが、ずっとテンションが変わらないというか、同じ温度で作品を書き続けてこられた秘訣はなんでしょうか?
ごとう たぶん苦手なジャンルだったからだと思います。恋愛ものは苦手だし、BLも読みはしますが、書きたいジャンルではなかったし、女子校育ちなので男の子のこともわからないし。一番書きたかったのはクライム・サスペンスなので、たまたま『タクミくん』が最初に評価をいただいて、「どうしよう」という気持ちもありました。苦手意識を持ちつつ書いていたので、作品に対してちょっと距離があり、キャラクターに対してももちろん思い入れはありますが、ないともいえる。キャラクターに強い思い入れがあったら、ひどいことはさせられないけど、「この人はこのために生まれてきて、こうなる」という作り方をしているので、ツライ話も書くことができるんです。そういうちょっとだけ突き放した感覚は一番好きではないから持てるもので、一番書きたかったものではないから長続きしているんだと思います。自分が飽きずに書くということも大事だし……総合してみると、秘訣は「ほどほどに距離を置く」ということだったのかも。入り口の段階で、すごく好きなジャンルで、キャラクターへの思い入れも強かったりしたら、途中で息切れしていたと思います。
先生がほどほどの距離を保ってくださったおかげで、読者は長く楽しめたのですね。
ごとう それに途中で気がついて、意図的に距離を置くようコントロールしていた、というのもあるかもしれません。お気に入りのキャラクターができたとき、ズボッと好きになると、逆に話が動かなくなるから、ほどほどでいようと自分で思っていたかも。
それは他の作品と比較して気づかれたのですか?
ごとう 実際にキャラクターをすごく好きになって、物語が動かなくなってしまったことがありました。そのときは、すごく好きな恋人と別れるような気持ちで、キャラクターと距離を置きましたね(笑)
作品との距離感というのは感覚的な面の話で、実質的な面では『タクミくん』を長く続けてほしいといわれたときに、自分の中で作戦会議をしたんです。一組のカップルがくっついたり離れたりする話は絶対書きたくなかったので、それ以外で長く、楽しく書き続けられる方法はいだろうかと……。そのときに考えついたのが「ホームズ方式」と「千夜一夜方式」でした。ホームズは今でいう「バディもの」という魅力がありますよね。託生は主人公だけどカゲが薄くて、まあ語り部的な存在で、ホームズ的なギイがいて、あとはゲストキャラがいるわけですよ。この方式で行くと、主人公たちの関係性は揺るぎなくて、ゲストキャラが入れ替わることで話が回っていきますよね。「千夜一夜方式」は、毎回スポットが当たる人たちが登場しつつ、それとなくリンクしていて、こちらも永遠に続けられそううだし。途中で「この学校ホモばっかり」といわれそうな気もしたんですけど、まあ想定内ということで(笑)。
いい学校だと思います(笑)
ごとう あと、ずっと後のことになるますが、映画のプロデューサーの方と雑談をしていたとき、私は映画化するなら『FAREWELL』とか『Sincere…』がいいなぁという話をしたんです。そうしたら、プロデューサーさんに「あれは制服が出て来ないんですよ」といわれて、「なにそれ?!」と(笑)。どうも制服の魔力というのがあるらしいんですよね。同じ高校生でも、私服の高校生と制服の高校生ではお客さんの反応が全然違うのだそうです。ですから、映画は制服の話で、ということになったのですが……。その感覚は自分にはなかったものなので、「制服重要!」と、新鮮な気持ちでご意見を参考させていただきました。
ラッキーの話に戻ってしまいますが、『タクミくん』には、そういった女の子が「いいな」と感じてくれる要素が、たまたまいっぱい詰まってたんですよね。狙っていたわけではないんですけど、結果的に大勢の方が共感してくれて、「王道」と呼ばれるようになっていた。文庫本になる以前から読んでくださっている方はおわかりだと思いますが、『タクミくん』は当時『小説June』では浮いてたんですよ(笑)。
『小説June』の中では確かに違う光を放っていましたね。でも「こういうのを読みたかった!という印象がとても強いです。
ごとう 潜在的な需要はあったのかな、とは思います。それまでの『小説June』はシリアスなお話が多かったので、学園ものでハードルが低くなり、門戸が開いたのかな、と。「これなら自分でも書ける」と思ってもらえて、大勢の人が学園ものを書くようになりましたから。裾野が広がったことでジャンルとして成立し、結果として王道といわれるようになったんですよね。
キャラクター秘話
人気キャラ誕生の裏に…
三洲くんと真行寺くん、託生くんとギイを凌ぐくらいの人気カップルになりましたが、彼らはどんなふうに誕生したのですか?
ごとう 私の中の「黒い私」が仕込みました(笑)。高林くんと吉沢くんというカップルがいまして、最初の頃、高林くんはすごく人気があったんです。でもだんだん人気に陰りが見え始めたので、高林くんに代わるキャラクターを投入しようと考えたんです。「ツンデレキャラはみんな好きだよね」と思って……まあ三洲はデレないのでツンツンキャラなんですけど、そんなふうに計画的に考えたキャラクターです。生徒会長としてチラチラと登場させてはいたのですが、まだ三洲の持ち味は発挿させず、三年生バージョンの『美貌のディテイル』でドーンと。そして「ツンにはわんこが必要かな」ということで年下の真行寺を……。目論みどおり、みなさんに気に入っていただけて、黒い計算で恐縮です(笑)。
最後には三洲くんもデレましたが、デレた三洲くんは書いていていかがでしたか?
ごとう 本人にはデレたつもりはないと思うんですよ。単に「自分のもの」という意志表明をしただけで。いわれたほうは喜んでいるので、よかったね、と(笑)。三洲くんは大事にしているものが少ない人。彼が守りたいのは家族くらいで、それ以外はどうでもいいと思ってる。他人に対しても事なかれ主義で、ぶつかるくらいなら謝っちゃえ、というタイプで、どうでもいいから学校ではそっけないんですけど、そんな彼にわんこが体当たりしてきたわけです。三洲にとっては事故に遭ったようなものかも。そして大事だからといって態度が変わる人ではないので、ツンツンとわんこのまま進んでいくのかな、と……。この二人はお互い様というか、三洲と真行寺でなければ成り立たない関係性だと思いますね。読者さんたちは、三洲がちょいちょい嫉妬してるのを感じていたと思うんですけど、『風と光と月と犬』では、真行寺にもわかるように嫉妬心を表したということで、それがデレに見えた、ということなのかな。
キャラクタ一に思い入れないようにしていたとのことですが、そんな中でもお気に入リカップルなどはありましたか?
ごとう マイナーカップルなんですけど、大橋先生とつもりん(一年生の都森くん)。
!!やっぱり彼らはフラグ立ちましたよね!二人の行く末は、非常にきになります。
ごとう フラグは立てたけど、あれはつもりんが卒業するまでのフラグなので、先は相当長いです(笑)。ちょっとヤンチャでいたいけな生徒と、距離を置いて見守る先生みたいな関係で、まとまるとしても卒業してから、というイメージでした。
続々と誕生するカップルに喜んでいましたが、赤池くんはノーマルを貫いてくれたことに安心しました。彼には絶対道を踏み外させない、みたいな感じだったのでしょうか?
ごとう 実は『CANON』の初稿の段階では、彼も男の子に惹かれてしまう場面があったんです。でも、そこを書くと話が散らかってしまうので、赤池くんの出番はばっさりカットしたんですね。なので、彼はクリーンです(笑)。幻の初稿でも片思いだったので、彼が道を誤ることはなかったと思いますが、そのエピソードがあれば「同性に惹かれる」という気持ちは理解してくれるキャラクターになっていたでしょうね。彼は最後まで「あいつらへン」というポジションだったので。
ラストシーンの時期というか、季節については、どんなご予定だったのですか?もし二年生バージョンで終わっていたら三年生に上がる前ということでしたが。
ごとう ラストの『Station』を表す場面は、別にどこでもよかったんです。二年生バージョンで終わっていたら二月の末頃だったでしょうね。ただ三年生バージョンを書くことになり、『Station』がどんどんずれていって、あのタイミングになっただけ。「どこにでもはめ込めます」というユーティリティー性の高い場面で(笑)。でも、物語が始まったときから頭にあった場面ですから、効果的に使いたいという気持ちはあったんですよね。最終巻を書こうと思ったときに、ここだったら腑に落ちるな、という……自分では納得できる場所に配置できたとは思っています。
「卒業式に参列したかった」(←それは無理)「つもりんはどうなる」「絵利子ちゃん(ギイの妹)の出番はこれだけ?」「絵利子ちゃんは上からちゃん(一年生の鷹司くん)が好きなの?」など、読者として欲望や疑問が……。
ごとう いくつかの出来事が頭の中にあって、なにを採用してなにを捨てるかはパズルみたいなものなんですよね。全部入れたらゴチャゴチャになってしまうので、今回は最終巻のテーマとして「最初から最後ま託生でいく」ということで筋を通しました。それ以外は全部削除。読者さんになにかいわれることも前提で削ぎ落としました。
ラストシーンは『春風』の頭とくっつくイメージなんです。託生がギイを理解し、ちょっと大人になって一周する、という……。それを効果的に表現したかったので、ジャマになりそうなものは全部排除しました。ただ、取捨選択をするには腹を括らなけれいけないんですよね。せっかく張った伏線を放置してしまうのはもったいない、という気持ちもあって、葛藤はありました。自分の中で「これが正解だろうな」とぽんやり思いつつも、「じゃあこれでいこう」と本気で腹を括るまでに、ちょっと時間がかかりましたね。
私が作品を作るときは、レゴブロックを組み立てるような感覚なんです。一つ一つは簡単なパーツなんですけど、組み立てると複雑な形になっていく。そのブロックを仕上げていく中で、「この形でいいのかな」とか、でも背伸びしても書けないし、とか……。こればかりは誰かに正解を教えてもらえるわけではないので、悩んでモヤモヤしている時期がずいぶんありました。決断したら絶対に引き返せないから、三年後の私に文句を言われないようにしなきゃ、そんなこといっても三年後に自分がなにしてるかもわかんないよーと思いつつ(笑)。
でも紆余曲折ありましたが、今こうして書き終えてみると、自分としては『春風』を書いたときと同じくらい清々しい気持ちなんです。全タイトルの中でどの作品が好きかと質問されたら『Station』と答えるくらい、満足しています。
ベタな展開としては、卒業式にギイが託生を攫って逃げる」とかなんですけど(笑)、それでは託生はまたギイに頼ることになって、今までと同じじゃないですか。そういう話を書きたかったわけではなく、最後は託生くんが自分の足で歩いていく、という姿を書きたかったんです。人見知りで外国を怖がっていた子が、全部飲み込んで恋人のいる外国へ行こうと決意するという……それはギイにとっても本望なのではないか、と。「自分の足で立つ」というのが、もともと『タクミくん』を書きたかった動機だったし、『JunePrid』で託生が自立した姿を書くことができて……それで一度「書ききった感」を味わったわけですけど(笑)。その後は困ったときにはギイが現れて、という展開が続いていましたからね。
確かに託生くんはギイに助けられていますが、託生くんはみんなを助けているじやないですか!インタビュー前に読み返し、託生くんの懐の深さを改めて感じて、惚れ直しました。
ごとう ありがとう(笑)。ときどき「ギイはなぜ託生くんなんかが好きなんですか」というご質問をいただくことがあって……。その人が読み続ける中で託生の良さに気づいてもらえたら、私としては成功なんだろうな、と思ったんですけどね。表向きはスーパー御曹司で、高校生にして事業に関わっていて、周囲からは憧れられている存在ですが、実際にそんな立場になったら生活環境は殺伐としていると思うんですよ。そんな中で信用に足る人を見つけられたら絶対に手放したくないと思うはずなんですよ。問題は託生のほうにギイと渡り合う覚悟があるか、ということですよね。誰かに愛情を示す方法は人それぞれですけど、託生に限っていうなら、学校内ではずっとギイに守られてきた彼が、勇気を出して自分の足で外に出て階段を昇るというのが最善で唯一の方法かな、と思ったんです。それが効果的になるようにハードルを設定してみました。
……で、最後に託生に試練を与えたわけですが、託生と同じく苦楽を志す者として、あの試練は私自身が胸がザワザワしてしまいした(笑)。それを親やギイに頼らず、自分で考えて、自分のできる範囲で解決したというところで、託生の成長を描けてよかたと思っています。託生の成長に満足しているので、私自身が清々しさでいっぱいです。
絵利子ちゃんは上からちゃんが好きなんですか?
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