ノートのすみっこ
Go for it!ボツ (1/1)
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2013年05年11日 Blogから転載
「あー、でも、自分が働いたお金が入ってたんなら、みんなに何かを買ったのに」
「は?」
急に突拍子もないことを言い出して、託生をポカンと見返した。
「ほら、初任給で親や家族にプレゼントするのがあるじゃないか。だから、お義父さんとお義母さんにも渡したかったし、絵利子ちゃんにも子供達にも買いたかったよ」
あぁ、そういう意味か。今までの感謝を込めて、初めて貰った給料でプレゼントしたかったってことだよな。
しかし………。
「託生、オレは?」
「ギイ?」
「オレには、初任給でプレゼントはないのか?!」
今、わざとオレの名前言わなかったろ!オレだって、託生からのプレゼントが欲しいぞ!
「だって、ギイ、ぼく騙してたし」
「だから、悪かったって!謝るから、この通り!」
両手をパンと合わせて頭を下げると、
「………欲しい?」
可愛らしく小首を傾げつつ、託生がオレを覗き込んだ。
ブンブン首を振るオレに吹き出し、宙を見つめて考え、なにかを思いついたように、にっこり笑った。
「ギイには、エプロンでもプレゼントしようか?」
託生の言葉に、オレの思考がストップした。
………エプロン?
エプロンをプレゼントされて、オレにどうしろと?料理でもしろってか?
いやいやいや、そんな使い道は邪道だ!
白いふりふりエプロンが似合うのは、託生だけ!
「ギイ?」
「エプロン………白いふりふりエプロン………」
「ぼく、白いふりふりエプロンなんて言ってないけど。って、聞いてる、ギイ?もしもーし!わわっ!」
託生の肩をガシッと掴み、
「託生。オレ、エプロンが欲しい」
仕事でも、ここまで真剣になったことは今までなかったかもしれない。
しかし、これはなにがなんでも、エプロンを手に入れなければ!
オレの気迫に息を飲んだ託生の口元が、楽しそうに変化した。
「でも、ぼくの初任給って、三年も前に入ってたんだよね?今更だよね?」
「へ?」
「残念だね、ギイ」
「いや、ちょっと、待て!今でも、いいじゃん!」
白いふりふりエプロン!
「でも、初任給じゃないし」
「じゃあ、オレが買ってくる!」
「いや、それプレゼントじゃないし」
プレゼントであってもなくても、この際どうでもいい!
「託生の裸エプ………っ!ぐっ」
「………ギイは、なにを想像したのかな?」
「なにって、もちろんナニ」
だから、グーで殴るなって!
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