穏やかな時間の中で(高校2年生)
残骸(2004.3) (1/1)
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「それでね、ギイ」
興奮気味に話す託生に相槌を打ちながら、オレの意識はさくらんぼ色をした口唇に釘付けになる。
赤く色づき艶やかに光を反射して、存在を知らしめる。
あの口唇は、どれだけ柔らかいだろう。
その奥に息づいた熱い塊は、どれだけ溶け合うだろう。
考えるだけでオレの体は逆流して、身を焦がすほど熱く変化していく。
「ギイ?」
そして、オレの名前を紡ぐとき。
その熱は頂点に達し、理性と言う名のダムにせき止められていた流れは激流に変わり、託生を自分の物にするべく新しい道を作っていく。
「愛してる、託生」
突然の抱擁に意味がわからず、あたふたと慌てる託生の体を腕の中に閉じ込め、色づいた口唇にそれを重ねる。
予想通りの柔らかさに笑みが漏れ、吐息さえ逃さぬように深く深く追い求めると、脱力したように託生が身を任せた。
「託生………」
「…………馬鹿ギイ」
目尻を赤く染めながら、潤んだ瞳を隠しもせず、正面から射抜いた視線に、理性などと言う人間らしい感情は飛んでしまった。
残ったのは………白いシーツに汗ばんだ熱い体と白い液体だけ。
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