穏やかな時間の中で(高校2年生)

主に高校2年生の物を集めています

眠れない夜 (2001.9)

「何か顔についてるか?」
 消灯間際、305号室に帰ったオレは、宿題をするべく机に向かった。だが、託生の視線を背中に感じ、ペンを置いて振り返った。
「え、あ………なんでもない」

Sweet (2001.9)

 託生と同室になって、初めての日曜日。朝から快晴。オレの心も快晴。
 今日、初めて託生と街に出る。
 大それた事ではないが、オレにとって夢にまで見た二人きりの外出。昨晩は、遠足を待つ子供のように、なかなか寝付けなかった。

face (2001.9)*Night*

「託生………」
 ギイの口唇が降りてくる。
「ん………」

勘違い (2002.2)

 消灯を迎え電気も消えた305号室。
 今日は体育があった為、おとなしくお互いのベッドに横になり、オレはうとうとと眠りに引きずり込まれそうになった時、隣のベッドから小さな声が上がった。

朝の風景(2003.4)

 オレの起床時間は6時。
 目覚ましなしで起きちまう。
 尤も、目覚ましなぞ無粋なものをかけて、託生を起こしてしまってはオレの楽しみが減ってしまうのだが。

タダより高いものはない? (2003.5)

 夕食もお風呂も済み、只今夜の10時。
 後は寝るだけと明日の用意をしていて気が付いた。
「英語の宿題、忘れてた………」

ポジション(2003.7)

 託生と同室になって、早2週間。
 初めの頃はお互いの生活のペースが掴めず、オレはともかく託生は戸惑っていたようだが、今では一日の時間の流れを共有できるようになった。

Secret(2003.11)

 ギイが友人に呼び出され、帰りは消灯間際だろうなぁと考えたぼくは、少し時間が早かったのだが、お風呂に入る事にした。
 いつもなら、順番を待っているギイに気を使い、ゆっくりと浸かる事が出来ないのだが、今日は別。

日常会話(2004.1)

 ギイと交代でシャワーを浴びバスルームを出ると、部屋の電気は消え、月明かりがカーテンの隙間から、ほんのりと差し込んでいた。
 暗闇に慣れない目には、ギイの姿が映らない。

ストレス解消(2004.3)

 第一校舎と第二校舎を繋ぐ渡り廊下。
 スキップをしそうなくらい上機嫌で歩くギイと、泣き出しそうなくらい顔を赤くしてその後ろを歩く託生。 

残骸(2004.3)

「それでね、ギイ」
 興奮気味に話す託生に相槌を打ちながら、オレの意識はさくらんぼ色をした口唇に釘付けになる。
 赤く色づき艶やかに光を反射して、存在を知らしめる。

I'm Getting Sentimental Over You(2007.7)

 ベッドのスプリングが跳ねたような感覚と、肩に掛かったシーツが引っ張られたような気がして、目が覚めた。
 真夜中の3時過ぎ。

Call Me(2007.7)

 授業が始まって第一日目。
 託生を副級長に任命し、しかし託生だけ指名するわけにもいかず、全委員を独断で決め、とりあえず本日の級長としての仕事を終えたオレは、託生が待っている(であろう)305号室のドアを開けた。

Black & White (2007.8)*Night*

 Pipipipi
 最小にした目覚し時計の音で、目が覚めた。
 隣で寝ている託生を起こさないよう、素早く電子音を消し、そのまま大きく伸びをして、ゆっくり起き上がる。

天使の矢 後編(2007.9)

 世界が終わりを告げるとき
 天使の歌声が地上に鳴り響き朝の光差す所
 我がたから封印す――――――――

三夜(2010.9)*Night*

 バスルームから出たぼくを迎えたのは、月の光が差し込む薄暗い室内だった。
「ギイ?」
 ぼくの声に応えるように、ベッドの軋む音。
「託生………」

今ここにある幸せ(2010.10)

「たまには、オレが膝枕してやるよ」
「い………いいよ、そんな」
「遠慮すんなよ。ギイ君特製膝枕だぜ」

ゴールデンウィーク最終日(2010.10)

 GW最終日。時間を合わせたわけでもないのに、早い時間に戻ったギイと託生。
「3日も離れていて、寂しかったよ、託生」
「………ぼくは、寂しくなかったよ」

ある秋の日の一幕(2010.11)

 まだ高校生なのに、ギイはたまに仕事で外泊をする事がある。できる限り日帰りにしたいそうなのだけど、遠ければどうしようもない。

めぐる季節の向こう側(2011.3)

 朝の空気が頬を撫で、ぼんやりと意識が浮上した。目を開けて飛び込んできたのは、いつもどおりの見慣れた409号室の古ぼけた天井。
「あぁ、もう、朝か」

めぐる季節の向こう側〜そのあとに〜 (2012.4)

 記憶喪失の間の話を聞き、昔のオレと今のオレの想いを込めて口唇を重ねたとたん、自覚はしていなかったのだが、一気に体の中を熱い欲望が渦巻いた。
 あぁ、昔のオレ、必死で我慢していたんだな。

小さな記憶(2011.4)

 スキー合宿から戻って2週間。
 帰ってきた直後はギイにあれもこれもお世話になっていたのだけれど、足の裏の水泡も消え包帯グルグル巻きの生活から開放されて、普通に授業を受けられるようになっていた。

小さな記憶〜After〜Destinyバージョン(2011.4)

 少ないとは言え、それでもそれなりに詰まっているクローゼットの中身をダンボールに入れていく。隣のキッチンに置いてある食器などは新しいマンションの方に全て揃っているので、これまたギイが処分する為にダンボールに詰めてくれているはずだ。

小さな記憶〜After〜Resetバージョン(2011.4)

「なに、これ?!」
 暇つぶしに本でも借りようかとギイの書斎に行ってみると、さっきまでいたはずなのに本人は不在で、でも机の上に出しっぱなしのパソコンを見て、すぐに戻ってくると判断したぼくは、壁際の本棚を眺めて待っていた。

小さな記憶〜After〜Lifeバージョン(2011.4)

「託生、手伝おうか?」
「ごめん、ギイ。お願いできる?」
 卒業間際二七〇号室に行くと、託生は一人でダンボールと格闘をしていた。

Hot Limit(2012.6)*Night*

 確かに言われた。
 「雨が降りそうだから傘を持っていけ」と。
 でも、そのときは、晴れてたんだ。雲ひとつない青空。

kiss(2013.5)

 ぼくがギイを受け入れられるまで、キスをしなかったわけではない。
 あの薄暗い音楽堂で、ギイの告白と一緒に訪れた最初のキスから、何度もギイの口唇を受けている。

 
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