Station 感想

Stationの感想と言っても、私、元々読書感想文ってのが大嫌いでして(てか、国語嫌いなんです;)、話があっちこっちに飛ぶ可能性がありますが、ご興味のある方だけ、お読みください。


掟破りなのかもしれませんが、とにかくラストが知りたいと、最終ページから読み初めました。
あぁ、うん、やっぱりね、という感じですか。その前を読んでなかったから。
そうして、最初から読み始めたんです。
最初の小さな女の子。あー、絵利子ちゃん経由か。んじゃ、駅まで送り届けて、ギイと出会ったんだな。
まぁ、こういう感じで。
最終巻はStationというのは昔から言われてましたし、エリカの咲く庭(文庫には未掲載)で「ステーションの君」とさっちゃんが言ってましたから、単純に、託生くんとギイは駅で出会ったんだろう、と思ってたんで。
読み進めて松本先生が出たあたりから不穏な空気を感じておりましたが、文化祭二日目に突入し、矢倉の「中だ……」に、おいおいと思い、「ベテランですから」に言うようになったなぁと感慨深く頷き、「オレは、託生を、愛してます」で、え?と思ったんです。
なんか、すごくイヤな予感がするぞって。
そして、病室。
まさかまさかの夢落ち?!いや、さすがにそんな二次みたいなことはないだろ?!
てか、いったい、なにがどうなって、病室?
まぁ、とにかく混乱しました。
が、親との和解について、私は個人的に疑問です。
さっくりと母親が「尚人」のことを話題にしているのに違和感を感じ、それは、託生くんと母親の間に、もうわだかまりがなく普通の親子関係が築かれていることを表しているのでしょうが、三つ子の魂百までという言葉もあります。
第一に、母親は、自分の仕打ちについて託生くんに謝っていない。
そこのところに、引っかかっております。
そのあとに関しては、まぁ、あれです。
ギイがいなーい。章三がいなーい。バイオリンもなーい。なにが、どうなってんだ、このやろーっ!
心境を考えるよりも、この展開の速さについていくのが精一杯で、気付けばラスト。
最初読んだ時の、あぁ、やっぱりね、という感想にはなりませんでした。
先生らしい、あっさりとしたラストだなとは思いましたが。


30年近くタクミくんファンをやっていて、とにかく少しでも早く情報が欲しい。
そう思い、ネットのない時代は、書店の新刊発売日一覧を毎月見に行き、雑誌を買い、PCを手に入れてサイトを運営するようになってからは、先生のサイトを見に行ったり、ここのネット書店の情報が一番早いとか色々と調べて(公式より早いところがあるんです)、本当に新刊の発売を楽しみにしていました。
サイト内の最新情報は、皆さんと情報を共有したいというのもありますが、自分のためでもあります。
ただ、あまりにも情報が入りすぎて、自分の中が整理できないんですよね。
素直に、Stationが読めないんです。
上記に書いた感想は、もちろんそのときに思ったことではありますが、ファンになってから手に入れた色々な情報、かつくらでのインタビュー記事。
そういう本の内容とは無関係……いや、全然無関係でもないけれど、ある意味裏話的なことを知ってしまうと、ものすごく考え込んでしまう。
そのことを前提としての、Stationの感想を。毒舌入ってますので、ご注意を。


私は、元々BLというものは、恋愛小説の一つだと思っています。そして、ファンタジー。
託生くんとギイの恋物語として、わくわくドキドキしながら楽しんでました。
でも、その裏話から察するに、こういう終わり方なんだろうなと、随分前から考えていましたから、上記に書いた通り、最初にラストから読んだとき、あぁ、やっぱりねと思いました。
でも、それは、なんやかんや、ラストの前にギイタクの絡みがあるだろうと思っていたからのもので、あのような展開がなされるとは夢にも思わなかったんです。
タクミくんシリーズというのは、恋愛小説だと思っていたから。ファンタジーだと思っていたから。
でも、実際はギイを追いかけていく決意をして終了。そのあとのことは謎ですよ。
想像すると、託生くんは大学の交換留学生としてNYに渡り、ギイを追いかけ、そして再会して二人幸せな人生を歩む。
一番求めている未来ですが、こう考えることもできます。
託生くんは、まだ18歳。まだまだ子供で世の中を知らない。
今は、無茶もできるし、なんでも挑戦できると思っている。学費だって生活費だって、親の脛をかじってる状態で、実際に大学に入ればバイトもするだろうけど、働いてお金を得ることが、どれだけ大変なのかも知らない。
でも、大人に近づくにつれ、現実を見て諦めることを覚え、世間の波に乗り、十年後二十年後に「こういうときも、あったね」なんて言って、傍らには奥さんと子供がいるかもしれない。
考えたくないですけど!
だから、青い時代の通過点「託生くんの成長物語」のラストとしては、大正解だと思います。
とても清々しい、爽やかな、ラスト。
でも、私は恋愛小説として読んでました。託生くんとギイの恋物語として、かれこれ30年も。
だから「自分の足で立つ」というのがシリーズを書いた動機であり、そのコンセプトでこのようなラストになりましたと言われて、あぁ、そうだったんですか、なるほど〜って、なるかい!!
先生には感謝してます。託生くんと出会いギイと出会い、そして、今、サイトをやってて、色々な方とお知り合いになれたのも、全部、先生がタクミくんシリーズを書いてくださったおかげです。
でも、やっぱり、私は恋愛小説としてのラストを求めてました。二人の未来を夢見ていました。
なんらかの妨害や試練があっても、絶対二人は幸せに暮らすんだという、未来が見えるラストを。
だから、補完を書いたんです。こういうシーンが見たかったって。
今だったら、ギイが消えた理由とか、託生くんの当時の心境とか、妄想に妄想を重ね大妄想するのでしょうが、読み終わったときには、とにかく再会シーンが見たい!それだけが頭を占め、それらしく適当に前置きし再会シーンを書き、自分自身を納得させたんです。
ずっとずっと30年に渡って彼らに恋し続けて、結局破局かもしれませんなんて言われたら、怒りを通り越して力が抜けます。
私は、今まで、なにをしていたんだって。


それで、自分でも、どうしてここまで熱くなれるのか考えてみたんですけど、行き着くところは、託生くんが好き、ギイが好き、そこなんですよ。
原作では、こういうラストを迎えましたが、それでも、これから先ずっと、私は託生くんとギイの恋物語は続いていくと思ってます。
(2014.2.4)


⇒ 後日追記した気になった点
 
PAGE TOP ▲