おまけ(2011.5)*Night*

Reset10話のエロ部分のみ、ギイサイドから抜粋しております。
清らかな乙女の方は、引き返してください。




 託生からのキス。
 跳ね除けないといけないのに、意思に反して体が動いてくれない。抱き締めたくなる腕を必死に堪え、拳を握り締めて心を引きずり込まれないように耐える。
 しかし、託生の甘い蜜が流れこみ、柔らかな舌が羽のようにオレの口内を愛撫する様に、オレの心はもっと深く託生を欲していた。
 酸素を求めて離れた託生の口唇を追い、うっすらと目を開けた時、飛び込んできたのは、潤んだ瞳と赤く色づき濡れた口唇、そしてコクリと動いた喉元。
 目にしたとたん、オレは託生に口付けていた。
 触れてはいけない。抱き締めてはいけない。キスしてはいけない。それこそ抱いてはいけない………!
 そう理解しているのに、託生を押し倒し頭を過ぎる忠告に本能が逆らっていく。
 もう限界だった………。
 胸の奥深くに隠していたパンドラの箱。鍵は託生が持っていた。だからこそ、オレは託生に会わないよう避けてきたんだ。
 それなのに、一瞬で開いてしまった。
 託生の手が服の上で彷徨うオレの手を導き、自分の胸元に差し込んだ。直に触れた託生の肌にスパークが飛び、乱暴にシャツを左右に開け胸の飾りにむしゃぶりついた。赤く立ち上がった突起を舌で味わい転がすと、託生の甘い香りが、誘うように匂い立つ。
 獰猛すぎる愛撫に、託生の体が跳ねた。
 切羽詰った欲望が堰を切ったように溢れだし、オレを支配していく。五感全てで託生を感じ、その喜びに理性が麻痺する。もうすでに、託生から離れる選択肢など遥か彼方に飛び去り、ただただ「託生が欲しい」と本能が叫んでいた。
 愛し愛され求め合った遠い記憶が蘇る。眩暈がするくらいの幸福感に、思考が霞がかってきた。
 深く身を沈め一つになったとき、落雷を受けたように震えが体を走り、一気に達してしまいそうになるのを、浅い呼吸を数度繰り返しやり過ごす。
 余裕なんて全くなかった。託生をこの腕に抱いている。その事実が例えようもない喜びとなり、オレを包み込んでいる。
「ギイ……ギ……イ………」
 オレを引き寄せる託生の腕に逆らう事なく、貪りつくすように細い体を思う存分突き上げた。
「託生、愛してる……愛してる………」
 口に出せなかった禁句。
 滑り落ちたとたん、託生を求める想いが一気に高まり腰の動きが早くなる。
「あ……ぁ………!」
 上り詰めた託生に引きずられるように最奥に欲望を放ち、大きく息を吐いた。オレの下で乱れた呼吸を繰り返す託生の口唇を舐め、小さなキスを重ねる。力の入らない腕をオレの肩に回し、キスに応える託生が愛しくて堪らない。
 一度達したものの一向に衰えを見せていない自分自身を自嘲気味に笑い、託生の体を抱き上げ膝の上に座らせた。
「やっ……」
 より一層深く打ち込んだ楔に託生の目から涙がポロリと落ちる。
「まだ、足りない……託生……たくみ」
「あ……ぁ………」
 こめかみに、首筋に、胸元に、ありとあらゆる場所に赤い花を咲かせ甘い肌を味わう。
 背中を通ってオレを受け入れている場所まで手を這わし、わき腹からそろりと内腿を撫でると、託生がブルリと震えた。
 続けざまの愛撫に 一時落ち着きを見せたような託生の呼吸が、また乱れていく。手と口唇だけの愛撫に、託生の腰が物足りないと揺れオレを逃がさないように締め付けた。
 もっと……もっとオレを欲しがってくれ。
「もう……ギイ………!」
 焦らされるのに耐えられなくなった託生の悲鳴のような懇願の声に、オレの体が大きく揺らめく。
「あ……ギイ……ギ………イ…………」
 汗を飛び散らせ首を打ち振り、託生の体が艶めかしくオレの上で揺れる。その痴態に煽られ、一層オレの動きも激しくなった。惜しげもなく晒された白い喉元に口唇を寄せ、噛み付くように口付けて赤い所有印を押す。激しさを増すオレに、託生が耐え切れないと言いたげに喘いだ。
「託生……愛してる………」
「ぼ…くも……あ…ん………あぁ……!」
 容赦のない追い上げに託生の体が震え、あっけなく弾ける。
 二度目の迸りにくたりとした託生を横たえようと体を退くと、オレが放った液体が零れ足を濡らした。
 それに気づいた託生が頬を赤く染め、
「ギイ、ダメ………」
 力が入らない体を捻り、逃れようともがく。
「汚せよ、もっと」
 もっと汚してくれ。もっと汚れてくれ。
 ベタベタに濡れた足元さえ煽りの対象にしかならず、組み敷いた体にまた熱くなる。
 まだ荒い呼吸を繰り返している託生の口唇を指先でなぞった。熱い息に紛れ少し乾いた口唇を感じ舌で潤すようにゆっくりと舐める。そして時折隙間から誘いをかけるように滑り込ませ、託生が応えてくれるのを待って濃厚なキスをしかけた。
 性急な営みに疲れきった体を癒すように撫で、託生の熱をゆっくり高めていく。
 擦り合わせた汗ばむ頬に「まだ、欲しい」と囁き、耳朶を口に含んだ。
「止まらないんだ。託生」
 オレの意思を無視して動く体に、託生の口から艶めいた音が零れる。オレの脳に直接響いて、背筋をゾクリと駆け上がった。
 ずっと欲しかったんだ。
 お前に触れ、お前に包まれ、お前に溺れて……あの夢のような時間に戻りたかった。
 渇ききっていた心に染み渡る至高の水。……飲めば最後。お前から離れられない・・・!
 何度目かの頂を越え、二人して床に転がった。



50万HIT、ありがとうございます。
で、何かお礼をと思ったのですが、永遠を書き終わって頭の中がすっからかんになってしまっていて、何も思い浮かびません;
フォルダ内を探したところ、Resetギイサイドがあったので、エロ部分だけ抜粋しました;
お礼にエロってのも、あれなんですが;今のところ、これしかない;
暇つぶしくらいには、なってほしいかな…。
(2011.5.14)
 
PAGE TOP ▲