二人はカブトムシ(笑)(2004.6)

 飼育ケースの中、キラカブトとムウカブトは、仲良く暮らしておりました。
 ムウカブトは、キラカブトが可愛くてなりません。
 とにかくキラカブトにべったりで、どれだけうっとおしがられても、
「俺は、不可能を可能にする男なんだよ」
 と、わけのわからない事を言いながら、追い掛け回していました。
 張り付かれているキラカブトはと言えば、嫌そうにしながらも、実はそんな積極的なムウカブトが大好きだったのです。
 でも、恥ずかしさが先に出てしまい、いつも素直になることができません。
 それに、どうしても我慢できないことがあり、すぐに怒ってしまうのです。
 その理由とは………。


 その日、キラカブトはお腹がとても空いていました。
 そして、飼い主さんが入れてくれた、エサ皿の穴にあるゼリーを無我夢中で食べていました。
 その姿は、頭隠して尻隠さず。
 そんな可愛い格好に、ムウカブトが黙っているわけがありません。
「キ〜〜ラv」
 嬉しそうに名前を呼ぶと、キラの頭側から圧し掛かり、突き出たお尻に頬ずりしました。
「僕は、お腹が空いてるんです!重いです!退いてください!」
「ヤダ」
 あっさりと返事を返しながら、今度は可愛いお尻を嘗め回します。
「止めてくださいって、言ってるでしょ?!」
 とたん、キラカブトの見事な膝蹴りがムウカブトの頭にHITしました。
 エサ皿から転がり落ちひっくり返ったムウカブトに目も暮れず、キラカブトはゼリーに夢中です。
「キ〜〜〜ラ〜〜〜」
 やっとの思いで体を起こし、のそのそと背後から近づいたムウカブトは、がしっとキラカブトを身動きできないように抱き締めました。
「ちょっ………ちょっと、何してるんですか?!」
「お兄さんを足蹴にするなんて、そんな悪い子にはオシオキが必要だな」
 に〜〜っこり笑ったムウカブトに恐怖を覚え、慌てて逃げ出そうとしましたが、頭は穴の中から抜けないし、体はムウカブトに捕まえられているし、どうしようもありません。
「もう充分お腹一杯になっただろ?そろそろ、食後の運動と行こうか」
「イヤです〜〜〜〜!!」
 そして、キラカブトはムウカブトに美味しく頂かれてしまいました。


「ムウさんなんて、大っ嫌いです!」
「はいはい」
 素直になれないキラカブトを、苦笑いしながら優しい目で見つめているムウカブト。
 二人は、とても幸せです(終わっちゃえ)


あぁぁぁぁぁぁぁ!!
すみません。末期症状です〜。
えぇ、うちのカブトムシ見てて、その様子がどうしてもフラキラに見えてしまって、妄想してしまいました〜。
カブトムシ嫌いなのにぃぃぃぃぃぃ!!
(2004.6.29)
 
PAGE TOP ▲