エゴイスト (2002.10)

何もかも忘れたいとき、肌の温もりが欲しくなる。
君の瞳に映るぼくを、見てみたくなる。
これからの人生。
決めなくてはいけないのに、逃げるわけにはいかないのに、
それでも君と一緒に生きていきたいエゴイストのぼくがいる。
ねぇ。ギイ。
それでも、愛してくれる?
こんなぼくでも、愛してくれる?
当たり前のように、返る言葉。
「愛している………」
いつまでも、訊いていたい君の言葉。
二人だけの止まった時間。
しがみつく指先の痛みと、君の熱と、耳元に掠める甘い囁き。
それだけが、ぼくの全て。
明日はどうなってしまうのだろう。
考えたくなくて、もっと君を求める。
「愛してる、ギイ」
壊れるくらい強く抱いて。
ぼくを壊してしまって。
ぼくを君で溶かしてほしい。
跡形が残らないくらい………。
 
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