おやすみ(2007.11)

同じベッドで、ただ穏やかに一緒に寝るだけなのに、
そんな時でも、ギイはぼくを抱き寄せ、頬を寄せる。
普段なら、その優しさと温もりに、ぼくの方が眠りに誘われるのに、
数分後、耳に響いてきたのは、規則正しい鼓動と寝息。
疲れを滲ませた顔色と目の下のくま。
仕事が忙しかったのかな?
それとも、考えることが多くて、眠れなかったのだろうか。
このままだと腕が痺れるだろうからと、ゆっくり腕を外すと、
無意識にぼくを探すように、ギイの左手が彷徨った。
両手でギイの手を握り、「傍にいるよ」と手の甲を撫でる。
すると、安心したように、また眠りの世界に戻っていった。
いつも大人びた顔をしているのに、今、ぼくの隣で寝ているのは、
子供のように安心しきった寝顔。
ぼくがいることで、ギイが眠れるのであれば、とても嬉しい。
ギイのパジャマの肩口に頬を寄せ、目を閉じる。

「おやすみ、ギイ」
 
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