短文問題集・お題

2014年03月27日(木)
「このまま溺れて」でgreenhouse_rikaの140字文はいかがですか? shindanmaker.com/439490
あー、これならいけるかな。Reset風味で。


一筋の光さえも届かない海の底。命がけで求めたたった一つの恋も、オレには過ぎた望みだったようだ。行かないでくれの一言を奥歯を噛みしめ堪え見送った後ろ姿が、何度も残像のように目の前を横切っていく。この苦しみから抜け出せるのなら、このまま溺れて胸の鼓動が止まるのも悪くはないな。


2014年03月20日(木)
りかに問題です。「部長」「新聞」「宴会」の3つの言葉を含め、6ツイート以内でニュースの原稿を書きなさい。 shindanmaker.com/5279
さっきの結婚式の挨拶は論外だけど、これならなんとか;

十九日夜、Fグループ日本支社にて、副社長を囲んでの懇親会という名の宴会が盛大に開かれました。
宴会部長の挨拶もそこそこに、ギラギラと目を光らせた女性社員、そして顔を覚えてもらおうと躍起になっている男性社員がひしめく宴会場ではありましたが、
副社長は料理長が腕を振るった和食を堪能し舌鼓を打っていたようです。
その後、アタックしようと待ち構えている女性社員達をひらりとかわして副社長は携帯を片手に姿を消し、阿鼻叫喚の混乱の中、部屋の隅で第二秘書が女性社員を口説いていたとかいないとか。
なお、この宴会の様子は社外秘なので口外は厳禁です。
【Fグループ日本支社広報部発行 社内新聞】


2013年03月26日(火)
「返却完了っと」
早朝のレンタルショップで、借りていたDVDを返却ボックスの中に放り込んだ。
ただいま午前6時。
普段なら、まだまだベッドの中にいるはずだけど、眠れなかったのだ。
「婚約間近なんだ………」
昨日、仕事帰りに寄ったコンビニで買った雑誌に書いてあった。
ギイと、どこぞのご令嬢が婚約間近だって。
Fグループの次期総帥。だったら、結婚して跡取りを作ることが、周りから期待されているはずだし、それがギイの義務だろう。
ご丁寧に載っていた写真を見る限り、お似合いじゃないか。
そう頷きながら買い込んだビールを飲んだはずなのに………これだけ飲めば、普段のぼくなら起き上がることも無理なはずなのに、この朝の空気に触れたとたん冷めてしまった。
「こんなこと想定ないだろ、葉山託生?」
卒業式の夜。ゼロ番で別れたんだ。もう、なんの繋がりもない。
一昔前に終わった恋なんだ。
残骸が心の中を占めているぼくとは違い、ギイは、もう新しい人生を送っているはず。
自分で自分を納得させて、人気のない店の前をターンし元来た道を戻ろうとしたぼくの前に、いつのまにか桜井さんが立っていた。
「え、桜井さん?おはようございます」
「おはようございます。託生さん、お早いですね」
首にタオルを巻いた桜井さんは、ジョギングの途中だったと見える。
「桜井さんこそ、いつもの公園じゃないんですね」
「あー、毎日同じコースだと飽きてしまうんですよ」
苦笑しつつ説明した桜井さんに、同意して頷いた。
「お帰りですか?」
「はい。早く起きすぎただけなんで」
「じゃあ、私もご一緒させていただいていいですか?」
「かまいませんけど……ジョギングはいいんですか?」
「実は、もう充分走ってるんで、そろそろ帰ろうかと思ってたんです」
にこりと笑った桜井さんに、
「じゃ、帰りましょうか」
と答えて、元来た道に足を向けた。
ギイの歩いている道とは違う、ぼくの道。
交わることなんて、たぶんこの先ないだろうけど、君の歩く道をずっと見ていていいだろうか。
君の隣に、ぼくの知らない誰かが歩くことになったとしても。

久しぶりの恋愛お題ったーでした。
greenhouse_rikaさんは、「早朝のレンタルショップ」で登場人物が「さめる」、「ビール」という単語を使ったお話を考えて下さい。 #rendai bit.ly/d2DNCR


2012年10月06日(土)
オレの心は、底なし沼に沈んだかのように、動けなくなっていた。
こんな子供に、媚びへつらい、ご機嫌を取る大人達。
将来へのメリットを考え、友人顔して近づく同世代のヤツら。
そして、崎家の御曹司だと一挙一動が注目され、オレはオレでなくなっていた。
マリオネットのように自分を操りながら、本当のオレは冷たい沼の底で自分を守るように動くことも出来ず、小さく小さく存在感を消していた。
音がした―――。
キラキラと輝き、優しく包み込むような、音。
そろそろと目を開ける。
遥か向こうに小さな光が見えた。
近づきたいと、触れてみたいと思った。
丸めていた体を起こし立ち上がる。
オレがオレ自身を取り戻すために必要な、音と光。
どれだけ時間がかかっても、絶対に手に入れなければいけないのだと、オレの本能が訴えかけていた。
そうして動き出した、オレの心。
それが、オレとお前との始まり。

「音」「冷たい」「動く」を使って感動する短文を作りなさい。 #voitekatyan http://t.co/c5px2KtY
短文問題集でした。


2012年09月24日(月)
greenhouse_rikaさんは、「朝の浴室」で登場人物が「夢中になる」、「誕生日」という単語を使ったお話を考えて下さい。 #rendai http://t.co/O5QGsdt3
ちょっと長くなっちゃったけど、朝言ってたお題を改めて。

「あのさ、ギイ」
「んー?」
「いったい朝っぱらから、なにやってるのさ?」
朝の浴室で泡だらけになっているギイに、話しかけた。
「だって、今日、託生の誕生日だろ?」
「そうだけど……」
「麓に降りてデートしに行くんだろ?」
「そうだけど……」
「だから、今しか時間がないんだ」
言いながら機嫌良さそうに、しゃかしゃかと隅から隅まで風呂掃除に夢中になるギイに、本気で首を傾げた。
誕生日だから風呂掃除?
ギイの思考回路がわからない。
「よっし、終了。託生、準備はできてるか?」
「うん、できてるよ」
いつでも、出かけられるように。ギイが誘ってくれたんだから。
「5分で準備するから、待っててくれ」
結局、ギイは5分もかからず仕度を終わらせ、ぼく達は予定通り外出したのであった。
夕食まで済ませ、寮に戻ったのは門限の少し前。
部屋に戻るなり、ギイはバスルームに直行してお湯を溜め、
「託生、風呂に入ろう」
ぼくの返事を聞く間もなく服を脱がせ、ぼくを風呂に放り込んだ。
「どうだ?」
「いい匂いだけど、不思議な匂い。入浴剤?」
「バスボム。ラベンダーとイランイランの」
「へぇ」
ラベンダーの名前は聞いたことあるけど、イランイランってなに?
「これを入れるために、朝っぱらからお風呂掃除をしてたの?」
「んー、17歳になった託生を綺麗な風呂場で綺麗にして、いただこうか、と」
ニヤリと笑い口唇を覆ったギイを押しのけようとしたのだけれど、鼻腔をつく香りが頭をくらくらさせ、ギイの思うままに翻弄されられ気付けば真夜中のベッドの中。
その後、イランイランの香りに催淫効果があることを知ったぼくは、ギイが持っていた全ての入浴剤を押収した。
しかし、全てイランイランが混じっているこの入浴剤、どうしよう……。


2012年09月18日(火)
「裏切り者」
1ヶ月ぶりに来日してきたギイが、ムッとした表情で拗ねた。
朝から大学の講義で、ギイがぼくの大学に来るにも、ぼくが空港に行くにも、時間的に中途半端で、
「部屋で待ってて」
と言ったぼくに、
「1秒でも早く会いたいから」
と、時間のロスがないようにギイが指示した昼の公園で、顔を合わせたときのことだ。
「別に裏切ってなんかないだろ?」
そうだよ。あれは、偶然だ。
「でも、オレ抜きだったろ?あーあ、託生が裏切るとは」
ここに来る前に、章三にでも話を聞いたのだろう。
だからと言って、まさかこう拗ねられるとは。
「けど、アメリカって、よくBBQパーティするんじゃないの?」
「BBQと焼肉を一緒にするな」
腕を組んでふんぞり返るギイに呆れて溜息が出た。
たまたま上京している祠堂のみんなと焼肉を食べに行ったからって、どうしてここまで拗ねられるのか不思議だよ。
「……はぁ。じゃ、今から焼肉食べに行く?」
「行く!」
とたん、不機嫌な表情を一変させ、ギイが破顔した。
「でも、ぼく、そんなにお金持ってないけど」
「デート資金はオレに任せろ」
「……ギイ。焼肉を食べたいだけ?」
胸を叩いて断言するギイに、いつもなら何も考えずに甘えるところなのだけど、なんだろう。なんとなく、下心が見える。
「焼肉と言えば、薬味はニンニクだろ?ニンニクと言えば精力……て−ーっ!」
「ニンニク臭いキスは嫌いだから」
言い置いて歩き出したぼくの横に並んで、
「ニンニク美味しいのにな」
ブツブツ呟くギイを横目で見ながら、二人とも食べれば匂いなんて気にならないけどと、クスリと笑った。

greenhouse_rikaさんは、「昼の公園」で登場人物が「裏切る」、「焼肉」という単語を使ったお話を考えて下さい。 #rendai http://t.co/0eltBoQb
なんとかしようとして考えたら、こういうのになりました。


2012年09月14日(金)
ぼく達が着いたときには、すでに真行寺の姿は見えず、高層ビルのどこかから大きい声が漏れ聞こえるだけだった。
「三洲、大丈夫か?」
「あぁ」
言いながら、三洲がビルに視線を向ける。
「アーラーターさーーん!」
「あの、バカ………」
「擦れ違いになっちゃったんだね」
三洲がいるビルが襲撃されていると連絡が入ったとたん真行寺が飛び出し、慌ててあとを追ったものの着いた時にはすでに真行寺の手によって片がついていた。
あちらこちらに伸びているヤツらを捕獲し、さて当の真行寺はどこにいるんだと首を傾げたとき、三洲がビルの上階を指差した。
「あんな上まで行ったら、聞こえなさそうだね」
「まったく、あいつは。なんとかと煙は高い所に登ると言うが登りすぎだろ」
「慌てて出て行っちゃったから、携帯もトランシーバーも持ってないし」
「三洲はさっさと脱出したっていうのに」
邪魔者を殴り倒しながら三洲を探している内に、上まで行っちゃったんだろうけど、エレベーターも止まっているし、あそこまで呼びに行くのもなぁ。
「アーラーターさーーん!」
「どうする、ギイ?」
「仕方ないな」
ギイは指を口にくわえて、ピーッと指笛を鳴らした。
あぁ、名前を呼ぶより、この方が遠くまで聞こえるな。
すると、ひょこっと真行寺が窓から顔を出し、ぼく達を視線に捕らえ……いや、ぼく達ではなく三洲を認識したとたん、忍者のように窓から消えた。
「………3分かかんないだろうな」
「うん……あ、三洲くん、待たないの?」
「あんな恥ずかしいヤツ、待ってられるか」
言い捨てて、三洲は章三の車に乗り込み、その場をあとにする。
「あれだけ自分の名前を連呼されてたら、三洲くんも気まずいだろうけど」
「オレだったら、託生があんな風に呼んでくれたら、無茶苦茶嬉しいぞ」
「ちょっと、ギイ。恥ずかしいこと言うなよ」
「いいじゃん。章三もいないし」
「ギイってば、くすぐったい」
「あの………」
背後からかけられた声にビクリとして振り向くと、
「アラタさんは………?」
真行寺が肩で息をしながら涙目で問いかけてきた。
「三洲なら署に向かったぞ」
「待っててくれなかったんスね」
「真行寺君………」
「アラタさーん!」
半泣きの真行寺を連れ署に戻ったときには、これまた三洲と擦れ違いになり、その夜、署では報告書を書きながら吠える真行寺の姿があった。

「笛」「大きい」「呼ぶ」を使って爽やかな短文を作りなさい。 #voitekatyan http://t.co/sMwEpf1j
またもや祠堂署設定で。ごめん、真行寺。いつも謝っているような気がするけど、こういう印象なんだもん;


2012年08月13日(月)
「あぁ、なぜ、貴方はロミオなの?………で、よかったのかな?」
「そうそう。託生さん、バッチリv」
「でもね、絵利子ちゃん。ここ、55階だから、さすがにロミオは登ってこれないような……」
(注:上ってではなく、登ってを使っております)
「大丈夫!夜のベランダでロミオがジュリエットに告白するのよ!階数なんて関係ないわ!」
「でも………」
「ほら、人目を避けて密会するんだから、多少の危険を伴ったって………」
「多少の危険ねぇ」
「あら、ギイ。どこから登場したのかしら?」
「ドアだよ、ドア!どうやって55階のベランダに登れって言うんだ?!魔法を使ってほうきで飛ぶしかないだろうが!」
「ギイ。そこは、気合よ!」
「お前は、アニマル●口か?!」

greenhouse_rikaさんは、「夜のベランダ」で登場人物が「密会する」、「魔法」という単語を使ったお話を考えて下さい。 #rendai http://t.co/DjyEjvuU
終わっちゃったけど、オリンピックってことで。


2012年07月26日(木)
コンクリートからの反射熱と、なかなか沈まない太陽にめげて夕方のゲームセンターに入ってはみたけれど。
「エアコン、効きすぎてない?」
「機械は熱に弱いからな。どうしてもこういう場所は温度が低く設定されてるよな」
入った時は「うわっ、天国!」と思ったけれど、汗が引くと急激にこの温度が身に沁みた。隣の誰かさんは、全然大丈夫そうだけど。
「出るか?」
ギイの言葉にしばし考えて首を振る。
エアコンが効きすぎている感はあるけれど、せめて太陽が沈むまでは、あの灼熱の中に出るのはごめんこうむりたい。
そんなぼくを見て、ギイが吹きだした。
「……なんだよ?」
「託生、暑いのも寒いのも苦手なんだよな」
「別にいいだろ。暑くも寒くもない丁度いいのが好きなんだよ」
「わがままなヤツめ」
言いながら、ギイがぼくの髪を撫でる。その手の温かさにうっとりと目を閉じそうになって、ハッとした。
もう!ここは公共の場だってば!
「じゃ、寒がりの託生くんにホットコーヒー買ってきてやるよ。砂糖なしのミルク増量でいいか?」
「うん」
「ナンパされずに待ってるんだぞ」
そう言い置いてギイが自動販売機コーナーに向かった。
ギイってば、ぼくを甘やかしすぎ。……嬉しいけど。

greenhouse_rikaさんは、「夕方のゲームセンター」で登場人物が「髪を撫でる」、「ミルク」という単語を使ったお話を考えて下さい。 #rendai http://t.co/0eltBoQb
「ミルク」は普通はこういう健全な使い方をするんだよね。うん、普通は;


2012年07月22日(日)
「終わった終わった。託生、帰るぞ」
「うん。って、ちょっと、ギイ近寄らないでよ」
「なんでだよ」
「汗臭いから」
「あー、そんなに匂うか?あいつ逃げ足速かったからなぁ」
「捕まえたからいいじゃない。じゃなくて、ぼくが汗臭いから」
「かっわいいなぁ、託生」
「だから、ひっつくなって」
「はぁぁぁぁぁぁぁ」
「…………どうしたんだ、あいつは」
「うん、また三洲くんにデート断られたみたいで」
「何回目だ?」
「5回目」
「アラタさ〜〜〜ん!どうして貴方はあの月のように遠いんですかぁぁぁぁ?!」
「ポエムってるよ」
「捜査一係の窓でやってもなぁ」
「アラタさ〜〜〜ん」
「仕方ないな。おい、真行寺」
「はい?」
「これ食べるか?」
「………プチビット。アラタさんとの思い出。アラタさんの……うぉぉぉぉおおおん!」
「ダメだ、こりゃ。おい、章三。オレ達帰るぞ」
「こら、待て!こんな真行寺と当直なのか?!」
「くじで決まったんだから仕方なかろう?」
「赤池君、お先〜。お疲れ様で〜す」
「ギイ!葉山!」
「アラタさ〜〜〜ん」
「黙れ、真行寺!」

「月」「遠い」「食べる」を使ってありがちな短文を作りなさい。 #voitekatyan http://t.co/sMwEpf1j
祠堂署設定で。ごめん、真行寺;「月」と聞いて、アルテミスしか思い出せなかったんだもん。


2012年07月16日(月)
裏庭の陽だまり。背後から草を踏みしめる音が聞こえて振り向いた。
「ギイ、縦笛の追試どうだった?」
「追試って言うなよ」
むっすり黙って拗ねた様子のギイのボサボサの前髪を指で梳く。この分じゃ、再追試だな。
「高校生にもなって、なんで縦笛なんだよ」
「文句言ったって仕方ないじゃないか」
祠堂の芸術科目は音楽と決まってるのだから。
「……楽しそうだな、託生」
「そんなことないよ」
ぼくがギイに勝てる唯一の科目。じゃなくて、ギイが唯一苦手な科目。
少しだけ優越感を持ったっていいじゃないか。ギイに勝てるのこれしかないんだから。
「歌のプロデュースなら、オレが勝つのにな」
ギイは横目でチラリとぼくを見て、なにかを思いついたようにニヤリと笑った。
「歌?」
音痴のギイが、歌のプロデュース?
意味がわからないと顔に書いたぼくの頬に楽しそうにキスをし、
「オレ、ベッドの上では託生に歌わすの得意だろ?」
「…………ギイのばかーーーーっ!!!」
ぼくの平手打ちとギイが口唇を寄せたのと、どちらが早かったのかは不明である。

「笛」「ボサボサの」「勝つ」を使って感動する短文を作りなさい。 #voitekatyan http://t.co/sMwEpf1j
短文じゃないけど、短文問題集でした。


2012年07月08日(日)
見上げた小窓から月が見えなくなった。
「ということは、もうすぐ夜明けか」
早朝の密室。冷たい床の上で胡坐をかいて、頭の後ろで手を組んだ。
閉じ込められて数時間。SPが、ここを突き止めるには十分余裕はあったはずだ。
オレを拉致監禁するなんて、どれだけ馬鹿な人間なんだ。ま、その根性だけは認めてやるけどな。
煙草を吸おうと無意識に内ポケットを探った指先に、カサリと薄っぺらい紙の感触が当たった。
託生のコンサートチケット。日付は……今日。
『新曲を演奏するんだ。誕生日プレゼントのつもりなんだけど』
島岡のことだ。オレがこういう状況になっていることは、託生の耳に入れていないだろう。
だからこそ、必ず脱出しなければならない。
オレが、託生との約束を破るはずがないのだから。
四角い紙片に軽くキスをして、内ポケットに滑り込ませた。
さて、どうしてやろうか。
にやりと笑って、靴のかかとに隠してあった小型の銃を取り出した。

greenhouse_rikaさんは、「早朝の密室」で登場人物が「約束を破る」、「月」という単語を使ったお話を考えて下さい。 #rendai http://t.co/0eltBoQb
やっぱり3つまでかな。恋愛お題ったーでした。


2012年07月05日(木)
小さな歌声が聞こえてきたような気がして目を開けた。
体を起こしコンクリートの壁からそっと覗くと、ほっそりとした愛しい姿が柵に両手を預けて大海原の方向を見つめながら口ずさんでいる。
「部屋ではあまり吸うな」と章三に言われて、朝の一服しようと仕方なく屋上に足を運んだのだが、一日の始まりに葉山の姿を見れるなんて今日はラッキーだ。
何物にも邪魔をされず、葉山にも逃げられず、こんなにじっくりと見つめることができるなんて。
注意深く静かに葉山の歌声に耳を傾ける。優しい柔らかな声。滅多に聞くことができない、葉山の声。
『I would give you anything』の原曲なのか?
曲そのものに聞き覚えはあるものの、歌詞は全く意味が異なる。心に残る歌。これが葉山の本心なのだろうか。
しばらくすると歌声は止み、葉山はドアの向こうに姿を消した。
部屋に戻り章三に聞いてみたら『I would give you anything』のタイトルは知らなかったが、覚えた歌詞を伝えると、
「あぁ、赤い鳥の『翼を下さい』だ」
あっさりとタイトルを教えてくれた。
翼を下さい………。
頑なに殻に閉じこもっていても、いつかは羽ばたきたいと思っているのか?
出来るならば、そのきっかけにオレが携わっていたい。許してくれるのならば、羽ばたく瞬間をオレが見届けたい。
祈りのような小さな願いを秘め、もっと日本を知って葉山に近づきたいと、勉強することを胸に誓った。

「鳥」「赤い」「勉強する」を使って爽やかな短文を作りなさい。 #voitekatyan http://t.co/sMwEpf1j
140文字にはまとめられなかった;短文じゃないし、爽やかでもないけど;

あ、そうだ。『I would give you anything』の翻訳は、こちらにありました。なにが、どうなって「翼を下さい」がこういう歌詞になったんだろ。
⇒http://t.co/tThcIWhI

やっと見つけたよ。
普通バージョンの「翼を下さい」
⇒http://t.co/lb6EmTuQ
英語バージョンの「I would give you anything」
⇒http://t.co/wUb7YRCV
初めて聞いた時の、衝撃をお分けします。


2012年06月30日(土)
「章三、そっちに行ったぞ!」
「止まれ!動くな!」
「どこから入ってきたんだろうね」
「葉山サン、普通に考えたら入り口のドアでしょ」
「おい、こら、逃げるな!」
「ギイも赤池君も、追いかけるから逃げるんだろ?」
「いや、違うぞ、託生。逃げるから追いかけるんだ。哀しき、刑事の性…」
「そんな虫取り網を振り回しながら言っても、さまにならないよ」
『ショーゾー。ショーゾー。ウゴクナ』
「……鳥の分際で生意気だな」
「あ……赤池君の目が据わった」
「焼き鳥にしてやるーーーっ!」
「わわわ、真行寺君、止めてよ!」
「いや、無理っす。あのギイ先輩と赤池先輩を止められる人なんていないっす」
「もう、困ったな。飼ってあげるから、おいで」
「…うわ、葉山サン、鳥使い」
「いい子だね。なにか食べる?」
『タベル?』
「そっか。じゃ、美味しいもの食べに行こうか」
「…この数時間の格闘はなんだったんだ」

「鳥」「困った」「動く」を使ってアホな短文を作りなさい。 #voitekatyan http://t.co/sMwEpf1j
アホと聞いて、なぜか祠堂署が浮かぶってのは、ちと問題かも;


2012年06月29日(金)
greenhouse_rikaさんは、「深夜の海辺」で登場人物が「約束する」、「雷」という単語を使ったお話を考えて下さい。 #rendai http://t.co/0eltBoQb
弁当を作りながら、考えた。Reset設定で、いきまーす♪

少し湿った海風が、ぼくの頬を撫ぜていく。顔を上げれば、どこまでも続く満天の星空。
目が覚めたぼくはなにかに誘われるように、ギイの腕を抜け出して深夜の海辺を歩いていた。
素足にさらさらと砂がまとわる感触が、くすぐったい。
目を閉じて波の音に耳を澄ませていると、砂を踏みしめるような足音が聞こえてきた。
「託生、無防備すぎるぞ」
そんな格好で。
ぼくを包み込むように伸びてきた腕が胸の辺りで交差される。背中がほんわりと暖かくなった。
「だって、ここにはぼく達しかいないんだろ?」
ギイのシャツを拝借しただけのぼくの姿にギイが苦言を言うも、誰にも見られる心配はない。
ギイが、そう言った。
ぼくの返事に、かろうじて留まっているボタンを一つ外し、ギイの手が素肌を滑る。
「ギイ……!」
「だから無防備だと言ったんだ」
含み笑いを滲ませ、でも熱くさせるつもりもないらしく、ただ穏やかに愛しげに肌を撫で下ろした。
「次の夏もここに来たいな」
「……託生がおねだりなんて珍しいな」
だって……。
『ごめんな』
夢か現か判断がしかねるあやふやな空間に落ちてきた、謝罪の言葉。
ただの空耳かもしれない。でも、雷に打たれたような衝撃を受け一瞬固まってしまったぼくを、ギイは強引に押し上げ意識を奪った。まるで、記憶を塗り替えるように。
傷ついたギイの心は、まだ癒されていない。
ぼくが側にいることそのものに、まだ後悔している。巻き込むんじゃないかって。
「ギイ?」
小指を立てて振り返り、ギイの目を覗き込む。
来年も再来年も、二人の間に死が忍び込む瞬間まで、ぼくは側にいるから。
「……約束するよ」
ぼくの真意を間違いなく受け取ったギイは、小指にキスをして自分の小指を絡ませた。


「祠堂のいい所は、いつでも森林浴が出来る所だろうな」
「確かにね。これだけは他の学校に負ける気がしないよ」
「それに……」
「なに?」
「人気が少ないから、こうやって託生といちゃいちゃできるのもな」
「ちょっと、ギイ、近い近い!」
「……お前ら、僕がいるのを忘れてないか?」

「森」「近い」「負ける」を使って爽やかな短文を作りなさい。 #voitekatyan http://t.co/sMwEpf1j
でした。
爽やかじゃないけど;短文じゃなくて会話だけど;


2012年06月24日(日)
一昨日も昨日も、もちろん今日も、ギイから電話がなかった。
だからと言って、ぼくから電話をすることはない。
だって、ギイは普通の大学生じゃないから。仕事中かもしれないから。
ギイの空いた時間に声が聞けるだけで、満足しなくちゃいけないんだ。
一応、携帯を横に置いてかかってくるのを待っていたけれど、いつもの時間を30分越えても鳴らなくて諦めた。
うーん、諦めたというのは違うな。納得した、かな?
でも、なんとなく部屋にいたくなくて、財布だけを持って駅前の商店街に足を向けた。
ここなら、12時まで開いているお店があるから。
暖かそうな色を写した深夜の書店で少し立ち読みをして、ぶらぶらとその辺りを歩き、コンビニで明日の朝食代わりの弁当を買って、そろそろ帰ろうかと横道に逸れたとき、ぼくの足を柔らかななにかが横切った。
「みゃー」
リンリンに良く似た……って黒なら、どの猫でも似ているとは思うけど、やや小ぶりの黒猫がぼくの足にまとわりついている。
「家に帰らないの?」
「みゃー」
首輪をつけているのに、こんな時間にいるなんて。
でも、柔らかな手触りに、心が柔らかく溶けていく。
「早く、帰らなきゃダメだよ。飼い主さんが待ってるだろ?」
気持ち良さそうに、ぼくの手に頭をすりつけ、もっと撫でてくれと訴えているような仕草にクスリと笑った。
そして、待ってくれている人がいるこの黒猫を羨ましく思う。
「君はいいね。家に帰れば大好きな人がいるんだから」
そう口から本音が出た時、
「猫となんか浮気してるんじゃねーよ」
拗ねたような言葉と共に背中が温く包み込まれ、ギクリと体が固まった。
「恋人の声を忘れたか?」
「………ギイ?」
首だけ後ろに捻ると、そのまま口唇が柔らかく塞がれた。
「ただいま、託生」
にっこりと笑うギイの笑顔が、ぼやけていく。
ギイと重ならない時間があるのだと納得したのに、どうしてここにいるんだよ?
「た……託生?!」
自分なりに気持ちを整理してたんだよ。ギイのいない時間に慣れていかなきゃって。
「電話できなくて、ごめん!飛行機に乗りっぱなしだったから……」
ギイの言葉よりもキスが欲しくて、口唇を重ねた。
軽く重ねたつもりだったのに、主導権はすぐにギイに移り、存分に吐息を交換してコツンと額をぶつける。
「託生の部屋に泊まっていい?」
「弁当一人分しか買ってないけど?」
「んー、食料の心配は明日に回すとするか」
ぼくの腕を取ってギイが立ち上がった。そして、手を滑らせ指を絡める。
気付けば、黒猫の姿は見えなくなっていた。

greenhouse_rikaさんは、「深夜の書店」で登場人物が「浮気する」、「猫」という単語を使ったお話を考えて下さい。 #rendai http://t.co/0eltBoQb
久しぶりの恋愛お題ったーでした。


2011年10月11日(火)
greenhouse_rikaさんは、「深夜の部屋」で登場人物が「見上げる」、「蜜」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://t.co/0ely8YR5 #rendai
うーん。意味深だねぇ、の言葉ですなぁ。

「なぁ、託生」
甘えるようなギイの声に、うっかり流されてしまいそうになる自分を叱咤して、
「ヤダ」
短く答えた。
消灯をとうに過ぎた深夜の部屋。ぼくのベッドに乗り上げ、頬を摺り寄せて、ギイが強請る。
「いいじゃん」
「ヤダってば」
「託生だって好きだろ?」
「……そりゃ、嫌い…じゃないけど……」
「だったら、二人でいこ?」
こういうときのギイは、とにかく執念深い。ぼくが「うん」と言うまで、口説くつもりだな。
「オレ、ずっと我慢してたんだぜ?」
だからって、耳元で強請るなんて卑怯だぞ。つい頷いてしまいそうになるじゃないか。
チラリとギイを見上げる目の端に、あれから30分も経っている時計が映った。
もう、頼むから、ギイ寝かせてよ。
「あのね。ぼくは行かないって言ってるの」
「そんな冷たいこと言うなよ」
「文化祭のときに、食べればよかったじゃないか。メニューにあっただろ?」
「章三が作ってくれなかったんだよ。商品を食わす義理はないって」
実に実に不服そうに言って、
「だから、二人で甘味所行って、あん蜜食おうぜ?」
絶世の……人の10倍ほど食い意地の張った美男子が、にっこり笑った。


2011年09月30日(金)
greenhouse_rikaさんは、「夜のベンチ」で登場人物が「離れる」、「本」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://t.co/O5QKZNtX #rendai
ってことなんで、久しぶりにいきます。

土を踏む足音に気付いてはいたけれど、ぼくは顔を上げなかった。その足音で誰だかわかっていたから。
「怖がりの託生が、ここにいるとは思わなかった」
外灯に照らされた中庭のベンチ。
普段のぼくなら、こんな夜に近づくことなんてしないだろう。けれども、ギイに見つかるのを少しでも長引かせたくて、ここを選んだ。
ギシリとベンチが音を立ててきしんでも顔を上げないぼくに、ギイは溜息を吐く。
「ぼくは謝らないからね」
「あぁ、オレも謝らないけどな」
足を引っ掛けころびそうになったぼくを、たまたまその場にいた友人が咄嗟にぼくを支えた。
そう。”支えた”だけだ。それを”抱きしめた”と判断したギイが、
「捻挫しているかもしれん」
と、誰にも何も言わせずぼくを抱き上げ、見せつけるように保健室に運んだ。
もちろん、ぼくの言い分も文句も無視だ。暴れに暴れて保健室の前で下ろされたと同時に、ギイを殴り飛ばし逃げ出した。
それから、ぼくはギイと会っていない。
「もう9時だぞ。あと1時間で消灯だ」
「だったら、ギイ戻れば?」
「託生が戻るなら、オレも帰る」
「ぼくは、もう少しここで本を読んでるから、先に帰れよ」
まだぼくは怒っているんだ。
皆の興味津々な顔。あんな恥ずかしい思いは、もうたくさんだ。
「だったら、託生が本を読み終わるまで、星を見てる」
「なに言って。こんな曇り空に星なんてないじゃないか」
何をバカなことをと、顔を上げたぼくに、嬉しそうにふんわり笑い、
「あるよ。オレだけの星」
言ってぼくの頬を親指で撫で、その意味するところを理解して、そっぽを向いた。頬が熱い。
「オレだけのだよ。誰にも触らせたくないんだ。たとえ、それが不慮の事故であっても。でも、それが嫌でオレから離れるというのなら自重する」
「自重って……」
自重とか遠慮とか、ギイに全然似合わないことを言われても。
子犬のような心細そうな目をして、ぼくを伺っているギイを見ると、許してあげないといけない気がする。
もう、仕方ないなぁ。
「今回だけだよ」
本を閉じ立ち上がって手を伸ばすと、ホッとしたような表情をしてギイはぼくの手を握った。
雲の切れ目から覗いた月が、こっそりとぼく達を見ていた。


2011年08月29日(月)
ガラガラガッシャーーン!
起きたときから怪しい雲行きだったのだが、教室に着いたとたん雨が降り始め窓を激しく叩いた。そして容赦なく稲妻が走り、その地響きを起こすような大きな雷鳴に隣に座っていた託生の肩がびくりと震える。
「託生、雷怖いのか?」
「違うよ。別に怖くないよ。でも、音に驚いちゃうんだよね」
確かに託生の顔に、怖がっている表情は浮かんでいない。と、また雷鳴。
「裏山にでも落ちたら山火事かな?」
「ギイ。そんな怖いこと言わないでよ」
実に嫌そうに託生が顔をしかめる。
そのとき、これ以上もないくらいの稲妻と雷鳴が響き、教室全体がざわめいた。
「たくみくーん?」
「………背後からシンバル鳴らされるほうがマシかも」
「オレはそっちの方が、驚くけどな」
一応、数秒だけでも早く光ってくれるのだから、雷の方が予測できる。
「なぁ、聞こえなくなる方法があるの知ってるか?」
「そんなのあるの?」
目をぱちくりしながらオレを見上げた託生の耳に口唇を寄せる。
「二人で獣のように愛し合えば、雷鳴なんて聞こえないって」
「ギイ!」
託生の容赦なしの平手打ちとオレの悲鳴は、タイミングよく鳴った雷鳴にかき消された。
「ほら、驚かなかったろ?」
「………あれ?」
小首を傾げた託生の口唇を、アドバイス料代わりに素早く奪った。

greenhouse_rikaさんは、「朝の教室」で登場人物が「愛し合う」、「雷」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://t.co/7BouSpD #rendai
恋愛お題ったーでした。落ち。


2011年07月06日(水)
壱がどこからか入手したカノンロックの伴奏と楽譜。
「これ、バイオリンでも弾いてる人がいるんだぜ」
の一言に、
「へぇ。葉山君に頼んでみようか」
背後から聞こえてきた声。
「野沢先輩!」
「俺、一度、生で聴いてみたかったんだよね」
その一言で、野沢先輩、壱、俺の3人で、葉山先輩が練習しているであろう温室へと向かった。
「あれ?野沢君、珍しいね」
バイオリンの練習をしていた手を止めて、葉山先輩が俺達を見ると、
「葉山君、ちょっと聴いてもらいたいものがあるんだ」
野沢先輩は言いつつ、丸い木の椅子に葉山先輩を座らせ、俺達にも目で座るよう促し、プレーヤーを操作した。
はてなマークを頭に飛ばしていた葉山先輩は、最初の一音が聴こえるや否や、
「あ、カノン」
と、呟く。
「すげっ……」
まだ一音しか聴こえていないのに、それだけでわかるものなのか?
ゆったりとした独特の旋律が続いた後に聞こえてきたシャララランのシンバルの音に、「あれ?」と首を傾げ、その後続く旋律を耳にしたとたん、
「エレキギター?」
ポカンと口を開けた。
そして、派手なドラムが入り一気にテンポアップしたカノンに、葉山先輩の目が驚きに丸くなり、そして、楽しそうに輝きだす。
バイオリンを持っている左手は、いつの間にか聴こえてくる旋律に合わせて動いていた。
「面白いアレンジだね、これ」
「だろ?色々な楽器で弾かれてるんだって。葉山君に弾いてもらえないかなと思って」
「いいよ」
あっさりと頷き、立ち上がった葉山先輩に、
「葉山先輩、楽譜あります!」
壱が慌てて声をかけた。
「楽譜、あったんだ」
え、楽譜なしで弾こうとしてたのか?
ってか、今、一度聴いただけなのに、もう覚えているとか?
なんなんだ、この先輩は?!

ラストダブってたんで;渡辺綱大からみた温室の出来事でした。


2011年07月05日(火)
温室に向かう小道を歩いていると、白い息の向こうから軽やかな踊るような音色が聴こえてきた。
「カノンか?」
にしては、少し…いや、かなり派手。
温室のドアを開け中を覗けば、オーディオプレイヤーから流れるどぎついドラムの音をバックに託生がカノンを弾いていた。
その横には、野沢と1年坊主が2人。
「あれ、ギイ?」
曲が終わり気付いた託生が、オレに目を向ける。
「今のは、なんだ?」
カノンをアレンジしたのはわかるが。
「カノンロックだよ。伴奏と楽譜が手に入ったんで葉山君に弾いてもらおうと思って」
オレの質問に野沢が答え、同意して託生が頷いた。
「へぇ、面白いのがあるんだな」
「だね。結構楽しいよ」
余程、楽しかったのだろう。にこにこ笑いながら、託生が楽譜を捲る。
「ギイ」
「ん?」
野沢の呼びかけに振り返ると、
「それ置いていくから、葉山君に頭から弾いてもらいなよ」
「野沢は?」
「俺達、そろそろ時間だから」
そう言いながら、悟ったような表情で野沢は1年を引き連れて温室を出ていった。
「……よかったのかな?」
「あとで返しておけば問題ないさ」
困ったようにオレを見上げる託生の頬に、ちょんとキスをして、
「それより、聴かせてくれよ」
プレーヤーを手に取った。
暖かな陽射しの中の少し派手なパフォーマンス。
楽しそうに弓を操る託生を見ながら、オレの心も軽やかに跳ねた。

「道」「白い」「踊る」を使ってありがちな短文を作りなさい。 http://bit.ly/g2D6da #voitekatyan
短文問題集でした。
140文字制限は、どこに行ったんだ?
カノンロック バイオリンバージョンはこちら→http://bit.ly/kejqCK


2011年06月19日(日)
パイロットスーツ姿で前髪を上げられている託生を妄想してみよう。 http://bit.ly/lfAgaj  んーとね。思わずガン○ムが浮かんじゃったのよ(爆)ということで、ちょいとパラレル。

「おい、無理するな」
鳴り響いたアラートに、仮眠を取っていたぼくは、ロッカールームに飛び込みパイロットスーツに着替えた。
同じく飛び込んできたギイがすばやく着替え、ヘルメットを被ろうとしたぼくの手を壁に押し付け顔色を探る。
「大丈夫。休んだから」
心配げに覗き込むギイこそ、疲れが滲んでいる。
それもそのはず、最終決戦はすぐそこまで来ているのだから。
「無茶はするなよ。変調を起こしたら、離脱しろ」
「うん、わかってる」
そうする事はできないとお互いわかってはいるけれど、心配性のギイの言葉に、いつものように微笑んで頷いた。
その間も鳴り止まぬアラート。遠くからぼく達を呼んでいる声がする。
「ギイ、行かなきゃ」
「託生……」
ぼくの前髪をかきあげコツンと額を合わせ、
「帰ってこいよ」
「ギイこそ」
そのまま口唇を重ねた。
こんな切羽詰った状態なのに、穏やかに甘いキス。
湿った音と共に口唇が離れ、ぼくの口からふぅっと溜息が零れ落ちた。
「行くぞ!」
「うん」
ギイの声に頷き、格納庫へのドアを開き、床を蹴ってぼくの機体へと乗り込んだ。カタパルトへ進むと、すぐさま発進シークエンスが流れた。体に襲い掛かるGを振り払い宇宙へと飛び出す。
遠ざかる母艦に「帰ってくるよ」と呟き、一気に加速した。
絶対に帰る。ギイと約束したのだから。


2011年06月15日(水)
greenhouse_rikaさんは、「夕方の屋上」で登場人物が「幸福になる」、「風」という単語を使ったお話を考えて下さい。 http://bit.ly/d2DNCR #rendai  ……だそうで。

なんとなく寮の喧騒から離れたくて、一人夕方の屋上に上った。
6月のあの日から、ギイとの距離は縮まったけれど、急激な距離感の変化に慣れない自分がいる。
息が詰まるような閉塞感ではなく、高鳴る胸の鼓動をギイに気付かれてしまいそうで、どうしたらいいのかわからなくなるんだ。
ギイに愛されて幸せなのに……。
知らず漏れる深い溜息。
「こんな所にいたのか」
「ギイ…?」
扉の開く音に振り返ると、ギイが息を弾ませて足早に歩いてきた。
「探したんだぞ?」
「ごめん」
熱っぽいギイの視線に瞬間鼓動が跳ね上がり視線を逸らしたぼくを、ギイは戸惑いもなく抱き寄せた。
少し汗ばんだ体から立ち上るギイのコロン。そして耳に響くギイの鼓動。
ぼくと同じ速さだ。
ぼくだけじゃないのかもしれない。ギイも同じなのかもしれない。
そう思ったら、緊張していた体から力が抜けた。
ギイは愛しそうにぼくをギュッと抱きしめてから腕を解き、赤く染まった夕日に目を細める。
「さすがに夕方は風が涼しいな」
「うん、そうだね」
こんな些細な出来事を重ねていけば、少しは慣れていくのだろうか。君の隣にいるぼくに。
「託生」
呼ばれて返事をする間もなく重なった口唇。小さく繰り返すキスに、胸の奥が幸福になる。ギイが与えてくれる無限の幸福に、ぼくは同じだけの幸福をギイに返せるのだろうか。
「部屋に戻ろう」
ひとしきりのキスのあと、ギイが目を細めてぼくを見つめた。
返事の代わりに、伸ばされた大きな手に右手を重ねる。
握り合ったこの手のように、これから先の未来が君と重なるようにと願いながら。


2011年05月20日(金)
「鳥っていいねぇ」「はぁ?」「だって自由に飛び回って、自由にどこにでも行けるんだよね」「託生……現実逃避する前に、単語一つでも暗記しろ!また赤点になりたいのか?!」「だって…」「のんきに構えてるから、ギリギリまで勉強する羽目になるんだぞ!」
「……チンプンカンプンなんだもん」「オレは、やる気の問題だと思うけど。…あぁ、それとも、勉強放っぽりだして二人で鳥になるか?」「はい?」「天国まで飛んでみるか?(ニヤリ)」「覚えます!覚えさせていただきます!!」

「鳥」「のんきに」「暗記する」を使ってありがちな短文を作りなさい。 http://bit.ly/g2D6da #voitekatyan  久しぶりの短文問題集。140文字に収まらなかった………。

あぁ、間違えてる!「暗記する」が「暗記しろ」になってる:考えるの面倒くさいから、ま、いいや。


2011年04月19日(火)
「神」「黒い」「隠れる」を使ってアホな短文を作りなさい。 http://bit.ly/g2D6da #voitekatyan  アホな短文ね〜。
(祠堂署設定です)

「すみません!ほんの出来心なんです!」「とは言っても、これで3回目だよね、君。さすがに出来心と言われても信じられないな」「さっさと認めろ!」「ひっ」「こら、駒澤。すごむんじゃない」「でも、野沢さん」「うーん、じゃあ、君の心に隠れる黒い悪魔に出て行ってもらおうか」「「はい?」」
「だって、出来心なんだろ?君の本心じゃないんだろ?」「はぁ…」「じゃ、ちょっと待ってて。駒澤は見張っててね」「はい」「お待たせ」「の…野沢さん…」「なに?悪魔祓いの用意してきたんだけど」「け…刑事さん!!ここ警察署ですよね?!でもって、取調室ですよね?!」
「うん。取調べしても君の悪魔に出てきてもらわないと困るみたいだからね、神に降りてきてもらおうと」「いやいやいやいや、悪魔なんて居ません!!ってか、神なんて降りてきません!!ってか、なんで魔方陣なんて警察署にあるんですか?!」
「え、君、知らないの?これで何体もの悪魔を呼び出してるんだよ」「すみません!私がやりました!私の意思です!勘弁してください!!」「よかったね、駒澤。白状してくれたよ」「野沢さん………」


2011年04月15日(金)
「空」「短い」「食べる」を使って感動する短文を作りなさい。 http://bit.ly/g2D6da #voitekatyan  感動じゃなくて、なんの変哲もないアホな短文だけど。

「空が透き通るようだね、ギ…」「おおお?」「…ぼく、空見たの数秒だと思うんだけど」「ゴックン。そうか?」「そうだよ。その短い時間で、どうしたら弁当が半分になるんだよ」「食べるの早いからな」「噛んでる?」「噛んでる噛んでる。託生も早く食べろよ」「うん…え?」「ごちそうさん」「嘘…」


2011年04月05日(火)
「木」「熱い」「抱く」を使って楽しい短文を作りなさい。 http://bit.ly/g2D6da #voitekatyan  うん。状況を説明しないと通じないかもしれない。

「あぁ、もう!」木に突き刺さったままの斧を意地になって力任せに押し込む。ギイが軽々やっていたからぼくにも出来るかと思ったのに。「託生、ヨロけてるぞ」クスクス笑うギイの声に「熱い!」八つ当たりした。そのまま斧を取り上げらて「ほどほどにしとけよ。今夜抱くから」何て事言うんだよ。バカ。


「ギイ?」
「なんだ、起きたのか。もう少し寝てればいいのに」
雪こそ降ってはいないけど、首をすくめる位寒い山荘の裏庭で、ギイは腕まくりをして薪を作っていた。
「寒くない?」
「いや、熱いぞ」
「ふうん」
目の前で、気持ちいいくらい真っ二つに割れていく丸太。
なんとなく楽しそうで、
「ぼくも、やってみたい」
そう言うと、
「託生には無理だ」
愛想も素っ気もなく、ぶった切るように断言される。
むかっ。
「ぼくだって、できるよ」
「いや、無理だって」
その間にも、どんどん増えていく薪。
「ちょっと位やらせてくれてもいいだろ?」
食い下がるぼくに、ギイは大げさに溜息を吐いて、
「危ないから気をつけろよ」
斧をぼくに差し出した。
「重い……」
場所を交代して斧を振り上げると、その重さに体がふらっとよろけた。背後で「ぷっ」と吹き出す気配を感じるが無視無視。
そのまま勢いよく振り下ろして、
「あれ?」
ギイの時はあれだけスパーンと真っ二つになっていたのに、なんで途中で止まるんだ?
笑いをかみ殺すギイに気付かないふりをして、突き刺さった丸太ごとガンガン打ち付けて二つに割る。
「もう一回」
今度こそと、ぼくは斧を振り上げた。
……数分後。
「あぁ、もう!」
木に突き刺さったままの斧を、意地になって力任せに押し込んだ。
ギイが軽々やっていたから、ぼくにも出来るかと思ったのに、気持ちよく飛んでいってくれない。
「託生、ヨロけてるぞ」
クスクス笑うギイの声に、
「熱い!」
鬱憤を晴らすように八つ当たりして、コートを脱ぎマフラーを外す。
ぼくだって男なのに、どうしてこれだけ腕力が違うのか。
丸太をセットしようとして、横からギイがひょいと斧を取り上げた。
「ほどほどにしとけよ。今夜抱くから」
何て事言うんだよ。バカ。
耳まで赤く染まったのを自覚しつつギイを睨み上げると、
「託生の上気した顔、色っぽいんだよ」
ほんの少し視線をずらして、ギイがポツリと言った。

さっきのお題。ざっと書いてみたら、これだけの長さ;これを140文字に縮めてます。


2011年04月04日(月)
「水」「遅い」「聴く」を使ってありがちな短文を作りなさい。 http://bit.ly/g2D6da #voitekatyan  ありがちってなんだ?

「託生、ほら」渡された水と薬を飲んでポスンと枕に頭を乗せた。「寝ろよ」「やだ。寝るの勿体無い」「バカな事言ってないで、早く寝ろ」ギイの小言を聴く間も心配性の指がぼくの髪を優しくかきあげる。のんびりとした昼下がり。時計の針までもが遅く動いているような…。ギイに見守られる静かな午後。


2011年04月03日(日)
車を止め窓から事務所を見上げた。ここに託生がいる。それだけでオレは幸せを感じていた。いつも託生の音を聴く事だけが、オレに許され唯一の慰めなのだから。こんなに近くにいるのに、お前に会う事は決して許されない。謎解きを終わらせたオレにできる事はただ一つ。お前の幸せを願う事だけ……。

「謎」「近い」「聴く」を使って泣ける短文を作りなさい。 http://bit.ly/g2D6da #voitekatyan  朝から問題やってて、こんな時間;Reset設定くらいしか、思い浮かばなかったorz


2011年04月02日(土)
「託生、頼む!」「ヤダ」「一人にしておけないんだ」「だからって、何でぼくが…」「明日までだから」「…ギイは?」「仕事が終わったら、すぐに戻るよ。今日は熱い位だから、放っておいて大丈夫だな。冬だったら冬眠してしまうけど」「そうだね」「託生が面倒見てくるってさ。よかったなぁ、亀」

「亀」「熱い」「頼む」を使ってアホな短文を作りなさい。 http://bit.ly/g2D6da #voitekatyan  今日のお題はこれでした;ほんと、アホだ……。


2011年03月30日(水)
「月」「熱い」「かける」を使って気持ちいい短文を作りなさい。 http://bit.ly/g2D6da #voitekatyan  く〜、ま〜た難しい…ってか、このキーワードで気持ちいいって、あっち方向にしか考えられないのですが。いや、ギャグと言われても困るけど。

口唇に直接吹き込まれる熱い言葉と強引な指先が、幾重にもベールに包んだぼくを容易く暴いていく。羞恥心を感じる間もなく与えられる愛に、逃れる術もなく闇に引きずり込まれた。溶ける体と架ける心。二人の間に隙間はなくて。薄く目を開けると、降り注ぐように月の光が妖しく二人を包み込んでいた。


「月が〜出た出た〜月が出た〜あ、よいよい♪」「誰だ、あいつに盆踊りを教えたのは?!」「ごめんなさい」「葉山〜」「だって日本の夏を満喫したいって言うから」「あいつがお祭り人間だって事、忘れたのか!!」「ここまで喜ぶとは思わなかったんだもん」「あれ、章三踊らないのか?」「子供ならまだしも、男子高校生が踊るか!」「そうなのか、託生?」「えーっと、あ、ギイ、カキ氷、何かける?」「レモン。サンキュ。げっ、ペットボトルの水が熱い!」「そんな所に置いているからだよ」……あのキーワードで笑い話は無謀でした;落ち。


2011年03月29日(火)
「鍵」「低い」「遊ぶ」を使って楽しい短文を作りなさい。 http://bit.ly/g2D6da #voitekatyan  うーん。難しいなぁ。なんか、以前にもこういうキーワードを使って…ってのを書いた気がするけど、短文はなぁ。

忙しい君に放っておかれ、頬をツンとつついてみた。「託生」低い声でたしなめられても、その弾力が楽しくて。「悪戯っ子め」咄嗟に逃げようとして足が絡まり、そのまま二人してベッドに転がる。じゃれあって遊ぶうちに、君の目が熱っぽく変化し口唇が落ちてきた。「鍵、閉めてないよ」それが、合図。
 
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